詐欺対策

【第2話】眠れなかった夜。詐欺だと気づいた瞬間

あれだけ信じていたのに。
「まさか」が現実になって、思考が止まりました。


はじめて誰かに話した夜

その夜、兄とLINEでやり取りをしていました。

これまでずっと一人で進めてきたネットショップのことを、初めて家族に話しました。
信頼していた相手と始めたこと、売上が思っていた以上に出ていたこと、
正直どこかで「すごいでしょ」と思われたかったのかもしれません。

でも、兄の反応は予想とは違っていました。

「それ、危なくないか? どんな仕組みなんだ?」


怪しさを指摘され、胸がざわつく

そのひと言に、心が一瞬だけザワつきました。
でも僕は、「大丈夫だよ、ちゃんと売れてるし」とだけ返しました。
その時は、本当にそう思っていました。

それでも、兄から「サイトのリンクを見せて」と言われ、
なんとなく違和感を覚えながらも送信しました。

数分後、返ってきたメッセージは短くて、重たいものでした。

「これ、詐欺じゃないか? 送金先、全部個人名だし、運営元もよくわからない」


検索の海で見つけた“自分と同じ被害者”

その言葉を読んだ瞬間、心臓がドクンと鳴りました。
頭が真っ白になったのに、胸の奥では「やっぱりそうだったのか」と思っている自分がいました。

そこからは止まらないほど検索を始めました。
「ネットショップ 詐欺」「副業サイト 注意点」
いろんなキーワードを組み合わせて、片っ端から読み漁りました。

出てくる出てくる。
僕と似たような体験をした人たちの書き込みが、山ほどありました。

  • 最初は売上が出て安心させる
  • 次第に仕入れ額が増え、「追加振込が必要」と言われる
  • 相手はやたらと親切で、距離を詰めてくる
  • でも振込先は毎回違う個人名
  • そして、最終的に売上は反映されず連絡が取れなくなる

悩み続けた夜、下した決断

目の前が真っ暗になりました。
信じていたものが崩れていく感覚。
そして、信じていた自分に対する嫌悪感。

なぜもっと早く気づけなかったのか。
なぜあの時、少しでも疑おうとしなかったのか。
後悔が頭の中を支配しました。

眠れませんでした。
横になっても、何も考えないことができませんでした。

不安、怒り、後悔、恥ずかしさ。
いろんな感情が入り混じって、体の力が抜けていくような感覚がありました。
悩んでいました。けれど、もう戻れないのはわかっていました。


僕が最初に決めた3つの行動

朝が来るのが怖く感じましたが、
「何かしなければ、もっとひどいことになる」という危機感だけははっきりしていました。

明け方になり、僕は行動を始める決意をしました。

  • 日本大使館に連絡する
  • 警察に相談する
  • 銀行にも連絡し、振込先口座の調査を依頼する

返金されるかどうかなんて、正直わかりませんでした。
でも、何もせずに終わらせるわけにはいきませんでした。

今やれることをひとつずつやって、それでダメだったとしても、
少なくとも自分を責めないで済むようにしたかったのです。


次回【第3話】では、大使館、警察、銀行への連絡と対応について、
実際にどんな反応があったのか、何ができて何ができなかったのかを詳しくお話しします。


  • この記事を書いた人

sholifeblog

■海外生活7年目 ■ファッション・美容関係の仕事 ■7年目にして詐欺に遭い大金失う ■50代から副業チャレンジ ●40代で初海外出向し、フィリピンやタイなど東南アジアで生活してきました。 ●人生これからなので色々チャレンジしていきます。 ●海外生活や詐欺体験、副業に関連したことを書いていきます。

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